2016年7月19日

床暖房に使用出来るフローリング材の特性

床暖房に使用出来るフローリング材の特性

足もとから部屋全体を暖める床暖房は、マンションにも一戸建てにも人気の暖房方法です。空気を汚したりホコリを舞い上げることがなく、健康的な暮らしを叶えてくれるため、フローリングをリフォームする際に床暖房を採用する人も増えてきています。
しかし、どんなフローリング材でも床暖房に適しているというわけではありません。床暖房の種類によっても使用できるフローリング材は変わるので、床暖房リフォームを行う際は、床暖房の基礎知識とフローリング材の特性について知っておきましょう。

◆床暖房の種類

床暖房には、「温水式」と「電気式」の2種類があります。

onsuishiki・温水式
ガスや灯油、ヒートポンプなどの熱源機で加熱した温水を床下に循環させる暖房方法。比較的低温でやわらかい温かさが部屋全体に均一に広がり、ランニングコストが電気式より安価というメリットがあります。また、最近では太陽熱を利用したエコロジーなタイプの床暖房もあります。


電気式床暖房・電気式
床材の直下に電熱線ヒーターなどの発熱体を組み込んで暖房する方法です。電気代は高くなりますが、施工が簡単でリフォーム費用が安く抑えられるため、キッチンやソファの足下など、部分暖房や使用時間の短い場所に適しています。

リビングなど広い場所には温水式が用いられるのが一般的です。温水式の中でも、「高温水式床暖房」と「低温水式床暖房」があります。

◆高温水式床暖房と低温水式床暖房の違い

・高温水式床暖房・・・65〜80℃の温水を循環させて暖房します。温まるまでの立ち上がりが早いというメリットがあります。ただし、フローリング材は60℃以上の熱によって反りや伸縮が生じるため、無垢フローリングは適しません。

・低温水式床暖房・・・40〜55℃の比較的温度の低い温水を循環させる方式です。高温水より立ち上がりや暖房
パワーが弱いため、床暖房の面積を広げて敷設することが多く、イニシャルコストは高めです。床の表面温度は24〜29℃ほどなので、低温やけどの心配がありません。また、フローリング材の反りがほとんどなく、床暖房対応の加工を施していないそのままの無垢材でも使用することができます。

◆床暖房に適した複合フローリング材の特徴

wooden-floor-1336166_1920
通常の複合フローリングは熱によって水分量が変化するため、ひび割れや反りが起こりやすくなっています。床暖房対応の複合フローリングを選ぶことをおすすめします。
床暖房対応のフローリング材は、特殊な熱処理や乾燥処理を行っており、通常のフローリングに比べて熱や乾燥に強いという特徴があります。
また、熱を効率的に床表面に伝える加工もされています。

◆無垢フローリングを床暖房に使いたい場合

お部屋の雰囲気を損ねたくないので、どうしても無垢材にしたい、と希望する人も増えています。無垢材は熱による反りや伸縮が複合フローリングよりも大きく生じます。この伸縮特性は、木が本来持っている調湿機能によるもので、無垢だからこその特徴ですが、気になるのであれば特殊な熱処理を行い床暖房に対応させた商品を選びましょう。
また無垢フローリングは、複合フローリングと比べて熱伝導率が低いため、温まりにくく立ち上がりに時間がかかるというデメリットがあります。一般的な厚みは12mmですが、厚みが増すほど温まるまでに時間がかかります。ただ、木材自体に保温効果があるため、床暖房を切った後でもしばらくは温かさが持続するというメリットもあります。

このように、床暖房を入れる場合は床暖房の種類だけでなく床材の種類を考えることも大切です。部屋の雰囲気の好みや、暖房効率をどこまで高めるか、といったことをトータルで考えて床暖房とフローリング材を選ぶことをおすすめします。